ECサイトやリード獲得系サイトなんかに比べると、コーポレートサイトとかブランドサイトってコンバージョンやKPIが設定しにくいですよね。私が勤めている会社のクライアントさんも多くはコーポレートサイトだったりするので、特に明確なコンバージョンやKPIを設定していない!というサイトにはよく出くわします。
コーポレートサイト・ブランドサイトのコンバージョン設定というのは、Web制作会社でアクセス解析をしている自分にとって、かなり重大なテーマ・課題です。でも最近、そういうサイトでもちょっとしたコツを掴めば、明確なコンバージョンを設定できるのではないかと思ってきました。
ポイントとしては、
- 具体的にビジネスに結び付ける(購入・態度変容を匂わせる)
- それを数字に置き換える(数字に意味付けする)
というところです。
例えば、電化製品を扱う企業のコーポレートサイトの場合。
コーポレートサイトのKPIとしてよく挙げられるのが「商品説明ページのページビュー数」や「訪問別ページビュー数」などですが、これらをKPIにすると指標としてちょっと弱いですよね。「何ページ見られたらコンバージョンとするのか?」とか「それで売上に繋がるのか?」とかいう話になってしまいます。
なので、ここでもうちょっと具体的にビジネスに結び付けてるために、例えば下記のようにユーザ像やビジネスへの貢献を具体化してみます。
想定するユーザ像
商品検討の段階では価格比較サイト(カカクコムとか)を使って商品を選ぶ。ある程度気に入った商品が絞れたらコーポレートサイトにも訪れて商品の詳細情報を得たいと考える。
ビジネスへの貢献
特定の商品を目掛けてサイトに訪れたユーザに対して、より上位スペックの機種や、近々発売予定の新商品などのラインナップを知ってもらうことでアップセルが狙えたり、豊富なラインナップを見せることでブランド自体への好意が高まり、その後の商品選定において自社の商品を選んで貰える可能性が高まります。
と、ここまでビジネスに結び付けてしまって、下記のように数字に置き換えます。
数字に置き換える
- 価格比較サイトから訪れたユーザの、上位スペックや新商品説明ページのページビュー数
- 価格比較サイトから訪れたユーザの、目当てにしていた商品と同ジャンルの商品説明ページをどれぐらい回遊したか(訪問別ページビュー数)
がKPIとして設定できます。
単純な「商品説明ページのページビュー数」や「訪問別ページビュー数」ではなく、これらの数字にビジネスに結び付くような意味が付加されていると思います。
とまぁ、上記はあくまで一例であり、同じような商品を扱うサイトでも、まったく別のコンバージョンやKPIを設定するケースがあると思いますし、セグメントの切り方や数値への意味付けの仕方は千差万別だと思います。
このように、どのサイトでも共通で使えるようなKPIは、コーポレートサイトの場合あまり価値がなく、サイトごとに具体的にユーザ像やビジネスへの結び付きを考えていく必要があるから、コンバージョン設定が難しくなっているのだと思います。
ただ、そういうことを考えるのが解析の醍醐味であり、面白いところだと思います。